<第1回> 「私と川」

 

森川範江(益田郡萩原町古関・53歳)
{益田の森と川第1号 2002年5月17日発行より転載}

<五感を使って自然を感じる>
私にとっての「川」は故郷、郡上八幡を流れる吉田川の清流でした。きらきらと輝く穏やかな日、台風で荒れ、みるみる増水し、濁流となったのみ込まれそうな川。増水後、汚れが一掃され、天気の回復とともにだんだんと透明度を増した、澄んだ水の中を泳ぐ鮎の姿、ケイ藻のにおい。
そんな川での遊びは、男の子は橋の上から飛び込みを使い、女の子は大岩からの飛び込みを競ったものです。
泳ぎに疲れると、今度は石の下の“雑っこ”捕りです。
学校帰りのみちくさに覗く、鮎の集荷場。
五感を使って自然を感じることが、川にはたくさんありました。
そして、四季折々の顔を見せる川は、いつも私の近くにあり安らぐところでした。これからもずっとそうあってほしいと思っています。

<川で遊ぶ子供たちの姿>
近ごろでは家の中での遊びが多くなり、「遊ぶ」ということが変わってしまったようです。生活リズムの変化や便利さが自然との関係を希薄にしてしまったのでしょうか。
ほんの少し前までは里山近くの小川にはカエル、カワニナ、魚を追う賑やかな声が響いていましたが、いつのころからか子供たちの姿を見ることがなくなりました。
自然が豊かと言っても、心や体でそれを感じなければ豊かとは言えない気がします。ここ萩原も随分、川の様子が変わってきました。


<住民会議が続くことに期待>
益田橋でのあの西瓜(私にはそう感じられます)のような鮎の香りが感じられなくなって何年が経つでしょう。
川の水量が減って美味しいケイ藻がなくなったためでしょうか。
何だか泥臭さが?
こんな疑問がずっと続いています。
「何時かまたあの香りを感じたい」
そんな想いからが私の益田川を考え、自分の町の環境は自分で考えてみることの一歩であり、住民会議参加の始めになりました。
そして今は、参加を重ねる毎に皆さんの熱い想いは熱をおび、益田川を愛していることが伝わってきます。意見、夢が自由に発言でき、知恵を学べる場であったことも良かったと思っています。今後、こんなかたちの住民会議が増え、生かされ、続いていくことを期待しています。



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