<2004年7月25日撮影>

  <清い風に舞う円空仏彫像>
祖師野の野道を歩く。裏山から引かれた谷水が苔むした石垣を濡らしながら箱舟にたっぷりと溜まり零(こぼ)れている。ひしゃくに水を汲み手を洗えば冷ややかさが体中に染みわたる。

薬師堂の庭に立つ。屋根瓦を見上げる。勇ましさと柔らかさを漂わせながら祖師野の地にひっそり身を構える姿に見惚れる。

薬師堂の門が開けられた。清い風が舞っている。薬師如来(104・8cm)、月光菩薩(54.0cm)、日光菩薩(53・3cm)が浮かび上がった。背丈と幅面、厚みに迫力がある円空仏象だ。周りには十二神将などもそっと奉られている。

《今回、薬師堂近くに住む細井正晴氏(49歳)の案内で円空仏彫像を拝見させていただきました》

< 円空仏彫像>
1691(元禄4)年、円空上人(じょうにん)は、津保街道から放生峠(ほうじょうとうげ)を越えて東村に入り、しばらく滞在後、麻生谷(あそだに)より飛騨の国へと行脚(あんぎゃ)の旅を続けた。仏の慈悲を体験しながら彫刻した荒彫りの神仏像は全国各地に残っているが、金山町にも45体が存在する。祖師野薬師堂には、薬師如来像をはじめ、聖観音像4体、十二神将像(しんしょうぞう)6体、月光菩薩(かっこうぼさつ)、日光菩薩(にっこうぼさつ)各1体が安置されている。

《文化財彫像金山町指定 昭和44年12月15日 金山町教育委員会提供》


左:祖師野の谷水  中央:祖師野の薬師堂  右:祖師野の円空仏

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