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下呂温泉 田の神祭り
<2006年2月14日撮影>

 

アマゴの天ぷら定食

白鷺橋から眺める<あたの谷>はあまりにもコンクリートで固められ風情が感じられない。それでも下呂の街には春を告げる風が舞い、ぶらり歩けば温泉街の気分が味わえる。食事処「山びこ」へ入り、昼食をとった。注文したのはアマゴの天ぷら定食。その身の柔らかいこと、5.6匹を丸ごと食べることができる。豆みそ汁の香りもいい。定食にダンゴも一本ついている。ほっとして体中が温まった。

 

田打ちの舞と餅かつぎ

森八幡神社の石段を上った。境内の大杉の雄姿に見惚れる。田の神行列と獅子行列が神社に向かっているようだ。やがて「田の神 田打ちの舞」が始まった。斎場の中心に据えられた太鼓の周囲を小池家が悠々と巡り歩く「餅かつぎの儀」に妙に惹きつけられる。太鼓を神田に見立てた田打ち。踊り子が柄鍬餅をさも重そうに担ぎ上げることにより稲作の豊穣を願う。


森八幡神社の大杉

田打ちの舞

田打ちの舞と餅かつぎ

 

二頭獅子の拝み

獅子が台門を拝み上がる「獅子の拝み」は、石段を這いずり上がるようで物悲しい。二頭の獅子は何を思い境内を舞っているのだろうか。裃(かみしも)姿の男衆や可愛らしい稚子たち、御分神担ぎたちによる境内での「御旅行列」は何を語っているのだろうか。「寄進笠の拝み」を受けた寄進持ち衆が踊り場でもみあいはじめた。


二頭獅子の拝み

獅子舞い

御旅行列の男衆

可愛らしい稚子たち

 

テテと踊子のササラすり

とうとう田の神祭りの主役である神主(テテ)と踊り子が御神前に登場した。テテと花笠をかぶった4人の踊り子はササラをすりあわせながら踊る「花笠踊り」を奉納する。ひげ面のテテはとても優雅で力強く、踊り子は鮮やかに柔和な雰囲気を漂わせる。ササラすりは田植えや稲刈りの動作を象徴しており、単純に繰り返すその姿が味わい深い。


田の神祭りの主役「テテ」

テテと踊り子のササラすり

 

空に舞う寄進笠

やがて境内中央に設けられたやぐら(笠投台)の上から
花笠(寄進笠)、赤白ダンゴ、小竹箸(こい箸)が境内一杯に膨れ上がった会衆に向かって投げられた。
花笠をキャッチした若いカップルが嬉しそうに携帯カメラで記念撮影をしている。


やぐらから投げられる寄進笠

【森八幡神社 田の神祭り】<国重要無形民俗文化財>

稲作や養蚕の豊穣予祝儀礼。花笠まつりの異称を持ち、毎年2月13日(試楽祭)、14日(本楽祭)に催される。森区内を4つの笠組(宮本笠組・松原笠組・塚田笠組・砂場笠組)に分けられ、順番で大当番に当たった笠組は1年間、神社の行事に参加する。神主(テテ)は大当番笠組より、踊子は各笠組より推選される。1月の終わり頃から2月にかけて、各笠組では総出で花笠(寄進笠)作りが行われる。2月になると各笠組を廻って「祭りうた」の練習が行われる。

神事の重要な構成要素となっているのが現存する「田の神踊り」(花笠踊り)と「踊り歌」。今日伝えられている踊り歌は全58首。新年の訪れをうたう「春歌」、農作業始めの「田打ち歌」、「田主誉めの歌」、田植えの主役である早乙女を四季の花にたとえて讃める「早乙女歌」、「田の神迎えの歌」へと展開、1年間の稲作作業の経過を辿っている。


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